2012年2月29日水曜日

次回のセミナーは2段構えでの開催

CCCFのセミナーでは、一つの柱として日本の伝統文化について取り上げてきておりますが、次回は、昨年4月に開催する予定で皆様にも公知したのですが、震災の影響で中止になっていたものです。
テーマは、能についてのセミナーで、大人になってから能を一度も舞台で観たこともないという方を視野に入れた、『能を楽しむために―基本の「基」を知っておこう―』というタイトルで企画されました。

 講師は、吟松会という能を演ずる会の主宰者で、宝生流師範の横井徹さんです。
 今回は2段構えというのは、まず3月20日(祝)に横井師範が演ずる「西行桜」の舞台へわれわれ希望する者をご招待してくださいます。そして、翌月4月19日(木)の午後6時30分より、それを教材にして入門的なセミナーをしていただくということになりました。
 
 このような企画は簡単に実現するものではありませんので、能がどんなものか観たこともないという方は是非ともこの機会にご参加ください。
 なお、演目の西行桜についての解説は、このご案内の最後にありますので、ご参照ください。
2段の構成は以下の通りです。

第1回舞台鑑賞:講師の横井 徹(宝生流師範)さん演ずる能「西行桜」鑑賞
第2回お話:同じく横井 徹さん

第1回詳細
日時:2012年3月20日(祝)午前10時始 
横井講師による能は11時30分開演予定。終演は13時頃。
すべての演目が終わるのは午後5時30分の予定となっておりますが、西行桜を観賞
されるだけでも結構です。

場所:矢来能楽堂  東京都新宿区矢来町60 TEL:03-3268-7311
申し込みは、コチラからお願いいたします。

第2回は、
日時:4月19日(木)午後6時30分―8時
場所:武蔵大学 8号館6F  8604教室

住所:東京都練馬区豊玉上1-26-1

4月19日セミナーの概要
1. 能の楽しみ方
2. 舞台芸術としての能の特性、宿命
3. 能が直面する危機
4. 能を支える勧め

・参加費:1,000円 (学生・院生:500円)
・締切日: 3月18日(日)正午 
参加申し込みは以下のURLからお願いいたします。
URL: https://www.supportyou.jp/ichiraku/form/16/


なお、お問い合わせは080-5419-7781 一樂まで。

    「西 行 櫻」
作  者  金春禅竹氏信(一説には世阿弥作とも)
典  拠  西行の和歌
     京都西山 西行の庵室
季  節  春

登場人物  シ テ   老木の櫻の精
      ワ キ   西行法師
      ワキツレ  花見の男
      立 衆   花見の同行者
      ア イ   西行の庵の庭番

梗  概  鳥羽上皇に仕える少壮の北面の武士として華やかな身であった佐藤兵衛(のり)(きよ)突然世を捨て、出家して西行と名を変え、西山に庵をむすんで静かに仏道の修行に明け暮れていた。しかし春にもなれば庭の櫻の花を見に俗人達が大勢押し掛けて騒がしく、これを嫌った西行は庭番に人を入れるなと門を閉めさせる。 

 折しもまた、昨日は東山、、今日は西山と盛りの花を求め廻る遊人の一団が訪ねてくる。断りたいところだが、遙々やって来た人達の花を愛する心を思えば、無下に帰すこともできない。しぶしぶ庭に入れて対面するが、少し心外の想いもあり、ふと一首の歌を詠む。

    花見んと群れつつ人の来るのみぞ  あたら櫻のとがにはありける

 今宵は花を見ながら明かそうと木の下に臥した西行の目の前に、櫻の老木の洞から白髪の老翁が現れ、今の歌を吟ずる。不思議に思って尋ねる西行に、老翁は、「櫻のとが」は何か と問い、西行の思いに対して、浮世と見るか山と見るかはその人自身の心によるもの、非情無心の草木の花にその咎はあるまいと諭す。

 自らの未熟を悟った西行に老翁は老い木の櫻の精と名のり、草木国土皆成仏の教えの有難さと西行に知遇を得られた喜びを告げ、花の名木、名所を語りながら静かに舞をまう。やがて夜も白々と明けかかり、まだ夜は深いと名残を惜しみながらいつか老翁の姿は消えて西行の夢は覚め、櫻の老木が残った。









 

0 件のコメント:

コメントを投稿